数奇屋のリフォームは、まず施主との関わりあいからはじまる。
永年お取引きのある施主の方だとよいが、はじめてお目にかかる施主の方が多い。
それも施主と少しでもお付き合いが出来ればまだよいが、実際にはそうもいかない。
短期間の間に施主の注文をうけねばならない。
私たちの立場から考えて、いちばん難しい数奇屋のリフォームは何かと聞かれれば、それは数奇屋のリフォーム費を出される方とお使いになる方が、同じである場合だと答えられるように思う。
このことは木造であれ、コンクリートのビルといったことには関係ない。
数奇屋のリフォームに対する考えかた。
数奇屋のリフォームのなかで日々利用度の高いリフォームがもっとも難しい。
まして数奇屋は、茶会などでお客さまをお迎えして利用される場合がおおいのである。
いちばん難しいリフォームになるのではないだろうか。
また数奇屋は、居住の一部に加えられる場合が多いので、それによって施主の生活習慣、生活のリズムが多少変わる場合さえある。
よく定年後住宅を新築されて、早く亡くなられることがあると聞く。
これは、生活のリズムが急に変わったことが、大きな原因ではないかと考えられる。
施主がお若い方だと、数奇屋のリフォームにすぐ順応出来るが、中高年、特に高年の方の時は、この点特に気をつける必要がある。
施主の生活習慣、好み・・・。
施主の好みは、人それぞれに異なり、非常に難しい問題である。
いかに好みを感じたり、的確に汲みとるかということで、ごく一般には派手好み、地味好みのふたつに大別されるが、数奇屋のリフォームの場合はそんな簡単なことではすまされない。
しかし幸いなことに数奇屋のリフォームをなされる多くの方はお茶をされていることが普通であり、その好みがお茶の「心」より出ることはあり得ない。
ですから、数奇屋のリフォームはこのことを基本にして考えれば間違いないといってよい。
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